台風

台風、凄まじかった。鉄筋集合住宅の4Fに住んでいると、ちょっとやちょっとの雨風には気づかない。カーテンを開けてベランダの向う側に目をやらなければ雨が降っているのかどうかもわからない。でも、さすがに昨晩の暴風音は大きく聞こえて不安だった。そこへ地震、怖かった。TVはつけているものの、画面を通して現実を目の当たりにするのが怖くて音量をぐっと低くして、本を読んだりタブレットで動画を見たりしていた。

海外からの観光客は、日本は恐ろしい、来年のオリンピックは大丈夫だろうか?という気持ちになっただろう。台風・地震・酷暑と心配要素が尽きないオリンピック、心配。

台風の夜が明けて、住んでいる集合住宅の周囲の確認。ゴミ、特に自販機の横に置いてある空き容器用のゴミ箱が転倒・蓋が外れて中の空のペットボトルや空き缶・空き瓶が散乱していることがよくあるので、それをできる範囲で片づけにいった。前々回の台風でどこかから飛ばされてきた自販機用のゴミ箱が、線路側の道沿いに放置されている。誰かが別の所に転がっていた蓋を本体の中に入れて一まとめにして放置なりに整頓された形。その人がやらなかったら私が同じこと、あるいは別様に何かしらしていたと思う。

ゴミは迷惑。コンビニで買ったものを家までの道すがら食べてパッケージを何のためらいもなく道路に捨てる、食い散らかして道を汚していく輩がたくさんいる。自分が捨てたゴミが自然消滅するとでも思っているのだろうか?家庭用ゴミや職場で捨てられなかったコンビニ弁当を駅のゴミ箱や駅前のコンビニのゴミ箱を帰り道の自販機用のゴミ箱に捨てていく人を取り締まってほしい。家にゴミを持ち込みたくないのだろう、特に夏場など。でも自分が食べたものではないか。駅前のコンビニがとうとうゴミ箱を店内に引っ込めてしまった。でも、そうすると、店外ですぐに商品を開封した客がゴミ箱にゴミに捨てられず、ポイ捨てするか最寄りの自販機用のゴミ箱にねじり込むことになる。道に落ちているゴミのほとんごがコンビニのゴミ。私の住まいから駅までの道で目につくのはファミチキ(黄色が目につく)。コンビニは“即ゴミ化(路上ゴミ化)”する商品を売っているのだし、もうけているのだから、企業責任としてゴミの投入口を小さくするとか監視カメラをデカデカと設置するなどの工夫をしてゴミ箱を外に置いてほしい。

その足で別のコンビニに行き、昨日できなかったメルカリの発送手続きをした。昨日は自分も外に出られなかったし、配送業者も台風で安全に車が出せず営業が滞っているとニュースで聞いていた。コンビニが臨時休業しているかもしれないとも思った。受付票をレジに持っていくと、店員さんが「郵便局の人も集荷に来れないでいるので、配達がいつになるかわかりません」と言っていた。

実家の様子を見に行く。外見からだけ。とりあえず大丈夫そう。

その後、歩いて行ける距離にある公園墓地に。前々回の台風で実家のお墓のお塔婆が一本折れていたのだが、今回は無事だった。墓地の入口を入るとすぐに猫がいた。歩き進めると更に仔猫が数匹。ちょうど1週間前にお墓参りに来た時にはいなかったのに。誰かが捨てたのだろう。避妊手術をせずに飼っていたメス猫が仔猫を数匹生み、飼いきれなくなって無責任に墓地に捨てた!

飼い猫からノラになり仔猫にお乳をあげなければならない母猫はどんなにショックでひもじくてシンドイだろう。仔猫たちもどんなにひもじいだろう。昨晩のあれだけの暴風雨から身を守れる場所を見つけて一丸の体で乗り切ったようだ。捨てた奴は解放された気分でいるのだろうか?台風の間、猫たちのことを思わなかったのだろうか?猫一家を不幸にし(捨て殺し)、関係ない人たち、墓所管理のスタッフや墓参り客を苦しめる。自分が負わなければならない責任を他者に押しつけたのだ。

家に帰ってテレビをつける。台風の爪後の惨たらしさ。猫のこともあり、ちょっとニュースから目を反らせたくてEテレに変える(こういう時のEテレ)。すると甘ったれた声としゃべり方をする40代の女性タレント(確か3児の母)がメインで出ている番組。“多くの人たちが被災し、東北地方ではまだ激しい雨が降っているという時に!”、という感がありTVを消した。バラエティ番組をやっていても“そういうもの”と思って流せるのに、あの声と話し方は耳にしたくなかった、“いけない”と

思った。